コラム〜RCC西野のレゾナンスな日々

 

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<平成14年12月11・12・13日合併号>

●小型スピーカー・チューン(Moon編)

我が家は、メイン・スピーカーの他に、サラウンド用のボーズさんのLS−12があります。
実は、家を建てたときにちょうどボーズ・キャンペーン中で、標準装備として付いてきました。そのため、ケーブルは壁の中に埋め込みで、左右とリアのスピーカーは天井に取り付けてあります。

以前より、TVの上に置いてあるセンター・スピーカーのみをチューンしていました。センターのクオリティーを上げると、サラウンド全体の音も締まります。なにより、セリフがたいへん聞き取りやすくなります。
というわけで今回のターゲットは、LS−12のセンター・スピーカー。左右とリアは、大掃除で脚立を出したときにでもチャレンジしたいと思います。(何せ天井高3.5mですから、そう簡単には届きません。)

このセンター・スピーカー、3年半くらい前のフル・チューンです。もちろん、錦糸線を小型レゾナンス・チップで挟み込む“V”も施してあります。カッ飛びサウンドを聴かせてくれていました。
ところが、その“V”が原因なのでしょう。最近、スピーカーより異音が出始めました。外れかかったレゾナンス・チップがフレームに当たっているようです。そういえば、心当たりもあります。あまりにユニットが小型で、チップや工具の入る隙間が無かったような状態でした。きちんと貼れていなかったのです。やはり無理はいけません。

“V”にはユニットが小型すぎると判断しました。これを機会に新チューンを決行しましょう!
“Moon”もあることですし、最良の状態で「SW EP2」を鑑賞してみたいですからね。

LS−12のサテライト・スピーカーは上下2段積みで、左右に首が振れるような構造です。ユニット保護のネットが付いていますが、手でちょっと力をかけると、簡単に外れます。工具でこじ開けるほどではありません。
ネジの頭に銀チップを貼ってある現況が下の写真です。



“Moon”チューンの前に、レゾナンス・チップ・クライオならばどのようなポイントになるか検討してみました。
“V”を慎重に時間をかけ撤去したのち、試行錯誤で試聴。その結果、“マグネットのお尻”と“マグネットを支える柱”ポイントがウェルバランスでした。
小型スピーカーに限らず、レゾナンス・チップの基本といえるポイントです。クライオ・チップなら、ここを攻めてみてください。



では、“Moon”の場合も同じポイントでしょうか?
聴いてみると、なんと“Moon”ならば、“お尻”だけで、いきなりいい音が飛び出しました。まさに、一撃必殺!“Moon”は貴重品ですから、ちょうど良いではありませんか。“柱”まで貼ってしまうと、2つのユニットで8個も“Moon”が必要ですから。
今回の内部チューンは、“マグネットのお尻”の“Moon”だけで勝負することにしました。



吸音材も検討に入る前に、吸音についてのうんちくを少々。

スピーカーから良い音を出そうと思うと、その内部処理も重要です。というのも、前方に大きなエネルギーを放出すると、箱の内部にも同じだけのエネルギーが発生するからです。そのエネルギーを箱の中で上手に処理してやらないと、その音はコーン紙を通して前方に放出される音と混ざってしまいます。前方と箱の中の音は逆相の関係ですから、混ざると相殺されてしまうのです(しかも、相当汚く)。ということは、その音は、再生されるべき音からは、ずいぶん違った方向へ進んでいることになります。
そのため必要なのが吸音材なのですが、以前は吸音材に良いものがなく、使うと音が死ぬし、無くしてしまうと元気はいいが音が暴れるという、どっちつかずの状態でした。
今は良いものがあります。あとはウェルバランスに仕上げるのが腕のみせどころ!

さて、吸音材の大切さとヒントはこのくらいにして、実装編です。
LS−12のサテライトSPは密閉式。純正では、白っぽいグラスウール系の吸音材が入っています。
これをテトラ型の紙箱に変更していました。いわゆる戸澤式レゾネーターです。
紙箱なのに、一番紙くさくない音がするという不思議な吸音方法。このくらいの小型スピーカーなら実験も楽ですので、一度試してみてください。内容量の8割くらいを紙箱にするのが目安です。

もう1つのお気に入りが、“サーモウール85”。これは優れもので、入れ方や量でかなり自由に吸音量を調整できます。
今回は、こちらをチョイス!フワリとした状態で握りこぶし程度の量を入れました。それを上下の箱に1個ずつ。



実際に入れるとこんな感じです。



この箱は木製ではなく、プラスチックのような樹脂製です。もしやと思い内壁にもレゾナンス・チップを貼ってみましたが、これは一長一短。好みにもよりますが、これは今回はチョイスしませんでした。

ネジ頭はどうするか・・・?えーい、今回は“Moon”1個とサーモウール85のみで勝負!
ということで、ネジ頭もとりあえずナシにしました。これはあとからでも簡単に貼れますから、しばらくは、このままで音を楽しんでみたいと思います。



たくさん作業したわりには、最後はあっさり完成という嬉しいような悲しいような結果でした。実はこうなると予想もしており、小型スピーカーには少量で攻めたほうが好結果が出るというのが最近の研究の成果です。
これがフロア型などになると、“眉間”ポイントなどが必須となるのでしょう。
小型スピーカーなら、“マグネットのお尻”にレゾナンス・チップ1発。参考にしてみてください。

それにしても“Moon”おそるべし・・・。お持ちの方は、是非“マグネットのお尻”に挑戦してみてください。そりゃもう・・・。

今週末は東京出張ですので、今日は3日分がんばっちゃいました!(コラム史上初の合併号でした。)また、良い土産話を持ってかえりますね!